A型肝炎

 

1.A型肝炎について
   A型肝炎は、A型肝炎ウイルスの経口感染によって起こる急性肝炎です。

 小児では80〜95%が不顕性感染(症状がでない)で終わることが多く、発病しても発熱、軽い黄疸を見る程度ですが、大人では75〜90%が発症し、38℃以上の発熱、全身倦怠感、下痢、黄疸、食欲不振の症状が現れ、完全に直るまでには1〜2ヶ月の治療が必要です。稀に劇症肝炎や急性腎不全を引き起こすことが有ります。

 予防として、平成6年(1994)に国産A型肝炎ワクチンが認可されました。

 A型肝炎が流行している地域や、海外のA型肝炎常在地への旅行・出張等長期滞在の場合などにワクチン接種が勧められます。

 20062008年に報告された国外感染推定例では、感染国は、インド、フィリピン、韓国、インドネシア、中国、パキスタン、タイ、カンボジア、ネパール、マレーシアなどアジア諸国が約8割を占め、その他、アフリカ、中南米、ヨーロッパの国での感染も報告されています。

2.予防接種スケジュール
 

 16歳以上の方に、2〜4週間間隔で2回、筋肉内又は皮下に接種し、さらに、初回接種後24週を経過した後の、1回追加接種します。

 免疫の付与を急ぐ場合には、2回(02週)接種します。しかし、長期に免疫を維持するためには3回目の追加接種が推奨されています。

3. A型肝炎ワクチンの副反応
 

 副反応発現率は6.0%であり、いずれも軽度な発熱、じんましん、注射部位の疼痛、発赤、そう痒感、腫脹、硬結、圧痛、倦怠感、頭痛、頭重感、下痢、熱感、全身筋肉痛などで、これまでに重篤な副反応の発生は認められていません。